化粧に三時間もかけたと言う子がいる。
そんなことしたら朝が昼に、昼が夕方になってしまうやないかと内心思ったが、なるほどその出来栄えは一片の隙も無いくらいだった。
でもよく見るとそのパーツの各々、たゆんだ目、盛り上がった頬、なだらかに傾いた眉はその完璧な化粧とは裏腹にとても柔らかい表情を作り出している。
性格ものほほんとしたもんで、この組み合わせがきっと彼女の魅力なのかなぁと感じた。
人にはそれぞれ重きを置くものが違って、彼女にはきっとその化粧が楽しくって仕方が無いんやろう。
と意味ありげに書いてみたけど要は、死神リューク風に言うと
「人って面白っ」
だ。ほんま。