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心理学を使ってオークションでより高く売る方法

これまで愛用してきたモノを手放すなら、出来るだけ高く買って欲しいものだ。
ネットオークションは個人間で売買するサービスだが、そこにも当然経済の論理が当てはまる。
だから工夫次第でより高く売ることが出来るだろう。もちろん、不当な釣り上げはご法度だが。

最近読んだ本にそのテクニックについて面白い記述があったので紹介したい。

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この本は、人の行動に影響を与えるためにどうすれば説得力が高められるかという事について、心理学者たちが研究したものをまとめた本だ。

6つの普遍的な社会的影響力の原理

様々な実験を通して一貫して示されるのは、以下の原理の有効性だ。

少し言葉遣いを変えるだけで取り入れることができたりするから、覚えておくだけでも損はしない。

オークションの開始価格は1円で

開始価格は出来るだけ低い方がいい。そうすれば結果的に高く落札してもらえる。
出品物に社会的証明を蓄積させることが出来るからだ。

どういうことかと言うと、人は他人の行動を指針とする習性がある。
「他の人がそうしているのだから」という言い訳を聞いたことがない人はいないだろう。
つまり、人は誰しも自分でどうしたらよいか分からないときには、周りに目を向けて他人の行動を手本にするという法則のことだ。

だから、多くの商品では「顧客の声」なるものを表示して、説得力を増強しようとしている。
Amazonのレビューや食べログの星の数を多くの人が重視する。
では、この手法を出品物に持たせてより高く落札してもらうにはどうすればよいだろうか。

答えは簡単だ。開始価格を1円にすればいい。
これは本書中でも実験で実証された手法だ。
その原理は以下の通り(本書より抜粋):

  1. 開始価格はオークションに参加する際のハードルのようなものなので、低ければ低いほど多くの人を入札に呼び込むことができる。
  2. 低価格での売り出しによってアクセス量が増え、それが入札件数や入札者数に反映されることで、これから入札しようという人に対する社会的証明となる。
    言い換えると、開始価格が低かった品物への入札を検討している人は、ほかにも多くの人が入札しているのだからその品物は価値があるのだと考え、その社会的妥当性によってさらに競売への参加を後押しされる。
  3. 安値で売り出された品物に入札した人は、特に早くから参加していた場合、たびたび自分の入札価格を更新する傾向がある。
    つまり、すでに掛けた時間と手間が無駄にならないよう、価格をさらに上げてでも入札を続けて、ぜひとも落札しようとする。

これなら誰でも出来る手法だ。

説得は科学だ

この本はもっぱら科学的に検証された手法が紹介されていて、とても信ぴょう性が高い。
そしてすぐに自分でも試せる。
逆に言えば、相手の手口も理解できるということだから、より賢い選択が可能になるとも言える。
自分の「なんとなく」の選択が解明された気がしてとても清々しい気分になった。

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